今更ながら…箱根ヒルクライム2018メカニックレポート

おはようございます!!! 

さて、もう1ヶ月以上経ってしまいましたが、箱根ヒルクライム2018のメカレポート!

早朝の変なテンションで綴っていきたいと思いますので、皆さまどうぞお付き合いを宜しくお願いします!

あ、お時間のない方。結論は変わらず「自分も人も傷付ける可能性がある自転車競技、しっかりと点検メンテナンスをして臨みましょう!」です。(笑)

 

 

 〈あの日現場で何が起こっていたのか〉

2015年からメカニックサポートとしてお手伝いさせて頂いております箱根ヒルクライム。

開催時期により増減はあるものの、1000人近い参加者が名峰大観山を目指し駆け上がるものである。コースはアネスト岩田ターンパイク箱根。

有料自動車専用道路であり、このレースでなければ自転車で走る事が出来ないというのも大きな魅力の一つ。 

 

 老若男女問わず様々な方が参加されるこの大会の模様をメカニックサポートという視点でお届けしていく。 

 

 

 

〈大会に向けた準備〉

これまでのメカサポートで得た経験を基に、想定されるトラブルを事前にリストアップし備える。

これまでとにかく多かったのが 

 

・ヘッドパーツのガタ

・ハブのガタ 

 

 

である。これはどこのレース会場でも多く、店舗での点検でも多い。要するに皆さんが思っている以上に点検、調整が必要だという事だ。

ヘッドパーツに関してはプレッシャーアンカー、スペーサーなどを用意。 

またブレーキ、シフトケーブル、バーテープ、クリートなども用意。 

 

今年も、ブレーキケーブルが錆びていてまともにブレーキがきかないもの。シフトケーブルがほつれていたり、規格の異なるものがついていて変速できなくなっているものがあったり。 

本来の検車の考え方であれば「出走させない」というのが正しいのかもしれない。そういったトラブルがないようにしっかりとご自身で時間とお金をかけて準備をされた方がいる中で、整備不良車についてどのように対応するか。 

 

サイクルデイズ、佐々木としては「ダメ」と突っぱねるのではなく、手を差し伸べたうえで、安全意識を伝えていくのが僕らメカニックの役割であると強く思うのである。 「何が問題で、本来どうする必要があったのか」伝える役割でありたい。それが少しずつ伝わり拡がって安全意識が伝わるように、各レースでのメカニックサポートを実施しているのです。 

 

 

<大会当日>

当日の動きはこんな感じ。

 

6:00 店舗で準備、積み込み

7:00 店舗出発 スタート地点へ

7:30 スタート地点到着 メカブース準備

8:00 当日の流れ確認 

8:30 スタート前下山者対応

9:00 スタート地点オープン メカニック開始

 

11:00~スタート地点おちついたら撤収準備、タイミング見て最後尾メカサポート

 その後頂上でのトラブル対応を実施。最終下山後方で下りサポートを実施してミッション終了。 

 

 

 

<スタート地点へ到着> 

当日はとても良い天気に恵まれ、最高のヒルクライム日和!!

朝一はキーンと冷え込みましたが8時、9時と時間が進むにつれて暖かく、日差しも強いので半そでで無問題!! 

スタッフ山岸と準備を進め、役割や流れを再確認。

 

 

<スタート地点オープン!対応が殺到> 

毎回スタート地点オープン後に対応が続くことが多いので気を引き締めていたが、今回もやはりスタート地点オープン後、対応がどっと入る。

 

お客様、チームメイト、友人やつながりのある方々と挨拶を交わしながら、一つ一つ対応を進めていく。

カテゴリ、出走時間を聞きながら優先順位をつけながら。

基本的には

 

・変速不良

・ブレーキ調整 

・各部ガタ

 

が多い。「点検やメンテナンスをしばらくしていない」という明らかな整備不良の方には「自分だけでなく周囲を傷つける可能性がある」事をしっかりとお伝えしながら今後必ず「定期点検」を受けるようお願いする。 

 

重要性を知らない方が多いので、このメカサポートがきっかけで知っていただけ、今後のアクションにつなげて頂けることを心から願うのです。 

 

上記の対応だけでなく、 

・シフトケーブル交換

・タイヤ、チューブ交換

・Di2変速不良 

などの対応も。 

 

時間が限られているレース現場では、 

「現在起きている症状は何か」

「考えられる原因は何か」

「今できる対応は何か」

を迅速に明確に判断しいていくことが重要。そしてもちろんそれぞれの要素に論理的なつながりがある事。 

 

たとえばDi2フロントが変速しない。

「バッテリー低下でフロントが変速しないケースが一番多い」

「ただリアを変速するとフロントのトリム操作が起きる」

「エレクトリックケーブルの抜けか断線の可能性が高い」

⇒という事でSTIレバー側のケーブル抜けが判明。

組付けの際余裕をもって組まれていなかったことが原因でした。

 

他にも、「レース前日にホイールを変えた」「スプロケを変えた」

という事で、その後の確認調整が出来ておらずお持ち込み頂く方も。

 

全ての方に、「今何が起きていて、何をして直したか、今後どうすれば防げるのか」をお伝えする。 

 

レース参加の皆様、しっかりと余裕をもって準備しましょう。

もちろん、しっかり準備していたのにパンクや輪行トラブルなどでお持ち込み頂いた方もいらっしゃいました。

 

最終的に、お一人だけどうしようもなく出走を断念していただくことになってしまったのですが、ほかの方は全員無事に出走。 

 

 

「ここまで来て走れないかと思った」

「対応してくれて本当に良かった」 

 

そんな声を頂くと、やっててよかったなと思います。 

 

 

<スタート地点終了、コースへGO>

スタート地点メカがひと段落。早めのお昼を食べながらしばし休憩。

 

すると「4km、6km地点でメカトラブル」報告により予定より早くレースサポートへGO!

無線に耳を傾けながら車でもきつい勾配を登っていく。

 

今回は3km、4km付近で体調を崩す方が多かったような。救護スタッフも大忙し。

 

パンクなどのトラブルで止まってしまった参加者の方をサポートし、可能な限り再スタートさせるのが目的。 

 今回はBB異音対応、チューブ交換、チューブレスシーラント修理などを行い頂上を目指す。

 

 

最後尾では歩いている方、止まっている方も。コースの先、また頂上でのメカ対応の為「頑張ってください」とお声掛けしながら、先を目指す。 

頂上付近で、タイヤ・チューブ交換をさせて頂いた女性の方を発見。 

 

良かった、無事に完走できそうだ!!またうれしい瞬間。 

 

 

アップダウンを越えゴール地点を越える。

自転車を上がってここを超える感動は、やった人にしかわからない。

少し羨ましさを感じつつ、頂上での対応に備え駐車スペースに車を停める。

 

 

<頂上での対応> 

ゴール地点はまた最高の天気、最高の眺め。そして富士山!!!!

みんな良い顔しています。 

顔見知りみんなに声をかけながら、メカサポートが必要そうな方を探す。 

今回は頂上での対応はほとんどなく平和そのもの。

参加者の方、関係者の方と会話を楽しむ。 

 

あとは下山に備えるのだ。 

 

<下山対応> 

昨年この下山対応で、リム過熱によるパンク修理などが続いたのだが、今年は一件のみ。その一件の方はカーボンホイールが割れてしまったのだが。。。 落車、事故につながらなくて本当に良かった。 

 

 

<打ち上げ!!>

16時頃店舗に戻り片付け。その後参加者の皆さんが店舗に集まり打ち上げをお開催!!

参加者同士、初対面でも会話が弾むのです。 

また来年も楽しみだ。 

 

 

もし最後まで読みきって、「このやり甲斐を自分も体験したい!」と思ったあなた。

サイクルデイズではあなたのような人の力が必要だ。すぐに連絡をして欲しい。 

 

 

 

よーし今日も一日頑張ろう。

本当に読んでいただいた皆様、有難うございました!(-v-;)

 

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