電動アシスト自転車の出張修理

今日は朝から電動アシスト自転車の出張修理に行ってまいりました。

ご依頼いただく数はスポーツタイプの自転車の方が多いのですが、最近はこういった一般車・アシスト車のご依頼が増えてきたように思います。

 

さて、本日の車体はヤマハのPAS KISSというモデルで、お子様のいるご家庭には大人気のモデルです。

image

ただこういった自転車は調子が悪い時、万が一壊れてしまった場合は大変です。

なにしろ普通の自転車より大きく重いので、たとえ大きな車を持っていたとしても積み込むのはひと苦労…

なので出張メカニックサービスが選ばれるのですね。

*電動アシスト自転車の場合、モーターやバッテリーの不良の場合対応ができないことが御座います。その場合は対応できる店舗をお調べさせていただきます*

 

 

さて、前置きが長くなってしまいましたが、今日の修理について。

同じ車種をお持ちの方はぜひ読んでいただきたいと思います。

 

本日のご依頼内容は

「ブレーキの効きが悪い。特に前のブレーキが全然効かない」との事。

 

実際に現車を確認してみました。

後ろのブレーキは単純にブレーキワイヤーの伸びが原因でしたのですぐに調整完了。

 

フロントブレーキの方は幾つかの原因が重なっていました。

・ブレーキケーブルの劣化、ほつれ

・ブレーキ本体の動作不良

・ブレーキパッド

 

まず、このモデルは『スマートコントロールブレーキ』をいうブレーキ構造を採用しています。

女性など力の弱い方でも安心してブレーキングができる優れものなのですが、可動部が多くい為定期的にメンテナンスをしないと、動きが渋くなってしまうのです。

img_4010

 

ブレーキ前面を覆っているカバーを3mmの六角レンチで外すとこんな感じ。

当初しっかりと汚れが付着していたため、しっかりと洗浄を実施。

またこびりついていた汚れはスキー用のエッジクリーナー(消しゴム型)で丁寧に落とします。

その後細かな汚れや洗浄剤を水で流し、その後コンプレッサーで水分をしっかりと飛ばして注油します。

 

img_4012

img_4013

他のパーツに付着しないように、狙いを定めて丁寧に。

日常のメンテナンスであれば、注油だけでもかなり変わります♪

 

 

さて、これでブレーキの戻りは完全に直ったのですが、ブレーキをかけてみると。。。あれ、なんの抵抗もなく進んでしまいます。

そのブレーキパッドがこれ。

image

 

テカテカしてます。

おそらくまず最初、フロントブレーキの戻りがわるくなり、リム面(パッドの当たり面)とブレーキパッドが擦れ続けてこのような状態になったかと。

 

ホイールのリム面もだいぶ減っていました。この段階で呼んでいただいてよかった。

そう、

電動アシスト自転車の問題点の一つ、アシストがかかっているのでブレーキをひきずっていても気づかない!!!

空気圧が減っていたり、何かにすれていたりしていても気づくのが遅れて大きなトラブルになる事もありますので

やはり、定期点検が重要ですね!!

 

さて、話を作業に戻して。リムとパッドの表面を掃除していきます。

image

パッドは目の粗いヤスリで大まかに削ってから細かいものへ。

多少毛羽立ちを残します。

 

これで再度調整してみたのですが、まだ効きが悪い。

 

そこで少し制動力の高い新しいブレーキパッドに交換しました。

お子様も乗せる自転車、安全第一です。

 

さて、これでブレーキは完璧!

あとは全体点検を実施。ネジ一本残らず確認していきます。

多少緩みの出ている箇所もありましたが、大きな問題はなし。

キャリアやドロヨケのネジは緩みが出やすいので、こちらもこのように定期的に増し締めが必要です。

あとは可動部に注油して、綺麗に拭いて完了!!

Before⇒Afterの違いに満足していただけるはず!

 

さて、長くなりましたが、お伝えしたかったことは

・点検の重要性

・違和感があれば早めにチェック!!!

の二点です。

 

もし不安があればご質問、お問い合わせだけでも構いませんので、一度ご連絡ください!

 

070-3138-3196

Cycle Days

佐々木

 

image

 

 

 

 

ご好評いただいております!!『メンテナンス講座入門編』

こんにちは!

本日はCycle Daysで定期的に開催しているメンテナンス講座についてお伝えします。

自転車は手軽で身近な移動・スポーツの手段ですが、一歩間違えれば危険なことも。

自分の命を落とすことも、他人の命を奪ってしまう事も出来るツールなのです。

 

そこで特に力を入れているのが、『セルフメンテナンス初級編』

自転車はメンテナンスフリーではなく、定期的なメンテナンスが欠かせません。

ご自分で出来るセルフチェック、簡単なメンテナンスをするだけで安心・安全な状態を保ち、車体やパーツの寿命を延ばし、大きなトラブルを防いでくれます。

 

こちらの講座。開講以来思った以上にご要望があり、一週間で三回実施したことも。

一回の参加者は1人~5人ほどです。

 

『セルフメンテナンス初級編』の内容は大きく分けて以下の三項目です。

・点検、メンテナンスの重要性

・工具を使わない簡単な点検方法

・メカニックが実施している点検の流れとポイント

その後皆様の質疑応答にたっぷりお答えし、全部で90~120分の内容です。

いつも喋りすぎてしまうのですが。。

 

興味のある方は是非一度お問い合わせください。

お一人でも希望者がいらっしゃれば開催いたします!

 

 

 

佐々木

HCブース2

チェーン切れの危険性と 適切な変速について

以前Facebookページ上でもお伝えしたこのトピック。

先日メンテナンスをしたロードバイクでも同じような事象が発見されましたので、再度お伝えしようと思います。

【チェーン切れの危険と適切な変速について】

今回お伝えするのはたった一度、無理な変速をしたことによって起こったチェーンの不具合についてです。

001

写真は
「漕いでいると後ろのギア付近からチャリチャリと小さな音がする気がする」
と持ち込まれたものです。チェーンのインナープレートが曲がってしまっており、これが隣のギアに接触して異音が発生していたようです。

005

聞き取りをしたところ
この自転車をお友達に貸してサイクリングに出かけた時の事
借りた方がダンシング(立ちこぎ)でスピードを出していく途中、強い踏力を加えたままフロントをインナーからアウターに変えた時に発生したと思われます。
変速の瞬間は「パキパキ!」という通常の変速から比べるととても嫌な音がするのですが、経験のない方は意外とこれを無視して乗ってしまいます。

そしてこのまま乗り続けるといずれチェーン切れをしてしまう可能性が高いのです。

 

アフリカの青少年チームでマネージャー兼メカニックをしていた時、あまりにもチェーン切れが多かったので、選手たちと一緒にトレーニングに出ました。

wpid-20160308111924.jpg
そこで判明したのが、ナミビアではナショナルチームに所属しているレベルを除き、実に多くの選手たちがチェーンに負荷のかかるギア選びとシフティングをしていました。

・スプリントをしながらフロントの変速操作をする
・インナーハイ(いわゆるたすき掛けの状態)で長く、負荷をかけて乗っている

 

など。

ペダルを一定の踏力で踏んでいる時は良いのですが、瞬間的に強く力を加えたときに変速をすると、チェーンに強いテンションが(縦の力)加わっている時に変速器がチェーンを押す(横の力)を事になり、チェーンや変速機の変形、最悪の場合その場で破断してしまう可能性もあるのです。

想像してみてください。加速しようと強く踏み込んだ瞬間にチェーンが切れたら。。。

簡単に言うと、立ち漕ぎ・キツイ上り坂での変速には注意が必要なのです。(特にフロント!)

坂の勾配を見ながら、早め早めに変速をしていく事が重要です。
加速の時も戦略的にギア選びをしていく事が大切ですね。

 

選手たちにそれを伝えてからは格段にチェーン切れが減りました。

wpid-20160308111735.jpg

 

 

また、クリーニングと注油が適切に行われていない場合もチェーンの寿命を削ります。

当然ながら汚れたまま、もしくはオイルが無い状態ではチェーンのリンク・プレートが擦れあい摩耗しやすくなってしまいます。

016

 

ネット上などで「チェーン切れ 原因」などと検索すると

「取り付けをした店舗か、製品自体に問題がある」
「いくら変速が悪くても一カ月で切れるのはおかしい」

 

という投稿やコメントを見かけます。そしてもちろんその可能性もあります。

ただ上述したように実は操作方法やメンテナンスが原因の事もあるのです。

いずれにしても良く観察すればどこかに原因を推察できるような痕跡があるもの。

私たちメカニックの役目として、それを冷静に判断し、明確にしてわかりやすく説明をし、今後ユーザーさんが同じトラブルに見舞われないようにする事が大事ですね。

 

自転車は素晴らしい乗り物、スポーツですが

命を落とすことも、命を奪う事もある乗り物です。

今一度、操作とメンテナンスについておさらいして、これからのサイクリングライフを楽しみましょう。

 

423 

『自転車のある日常に 安全と安心を』
サイクルホームドクター
Cycle Days

Before⇒Afterに感動を♪

みなさんこんにちは。

今日はピストの洗車、全体メンテナンス、バーテープ交換を実施しました。

実施した作業は以下の通りです。

 

1.洗車・クリーニング

2.全体点検・調整

3.必要パーツの交換

 

 

 

1.洗車・クリーニング

image

まずはチェーン・スプロケットなどの駆動部にディグリーサーを塗ってブラシでこすります。

この時にフレームやゴムなどに攻撃性のあるケミカルを使うとフレームの塗装面やタイヤを痛めてしまう可能性があります。

PEDROSのオレンジピールズはその点攻撃性が低いので安心して使えます。また環境にやさしい生分解性なので良いですね♪

 

油汚れがついている箇所をディグリーサーで清掃したら、全体洗浄に移ります。

バケツに洗剤を泡立てたぬるま湯を用意。スポンジも二つ用意します。

まずはチェーン・スプロケ・チェーンリングなどディグリーサーを塗った部分から、しっかりと洗剤と水を含んだスポンジを当ててディグリーサーを洗い流していきます。

しっかりとディグリーサーを落とさないと、その後チェーンオイルを塗ったとしてもすぐに落ちてしまい逆にチェーンやスプロケなどの寿命を早めてしまうことも!念入りに洗い流しましょう。

その後、もう一つのスポンジを使い車体全体を上から順に、同じように洗っていきます。スポンジで泡を立てながらしっかりと洗い流していきます♪

さて、ここで注意点が一つ。

ヘッド・BB・ハブなどのベアリング部に集中的に水をかけてしまうと中のグリスまで流してしまう事になりかねません。そうするとグリスアップが必要になります。

洗剤での洗浄が終わったら、その後はリンシング。洗剤を含まない普通の水で同じように上から下へ洗い流していきます。

この時にチェーン周りも一緒に。この時にスポンジには黒い汚れが付かないくらい綺麗に洗浄されているのが理想です♪

最初にチェーン周りを洗うスポンジと、きれいなスポンジはしっかりと区分して使いましょう!

ところでFEEDBACKSPORTSのこのスタンドを購入してから、この安定感と使いやすさのお蔭で洗車が本当に楽になりました。

うちでは扱いありませんが。。でもとってもおススメです。

ブラシはPEDRO'Sのブラシキットを使っています♪チェーンやスプロケの掃除も楽ちん♪

しっかりと洗剤を洗い流したら、その後はしっかりと乾かします。

店舗ではコンプレッサーを使って水分を切っていますが、ご家庭だと難しいですね。

ハンドル、フロントフォークを下にして自転車を立て掛けるとはやく水が切れますよ♪

 

水が切れた後は必要ヵ所への注油を忘れずに!!!

チェーン、ディレーラー、ブレーキなど。また今回はヘッドパーツ、ホイールベアリングの確認とクリーニング、グリスアップ、玉あたり調整も実施しました。

 

 

2.全体点検・調整

自転車がきれいになった状態で全体点検、調整を実施していきます。

オーナー様から「フロントブレーキが渋い。レバーを握っても戻りが悪い」と伺っていたのですが、見てみるとこの通り。

image

ブレーキのインナーケーブルがほつれ根本の部分に絡まってしまっています。

レバーを外してみます。

image

ブレーキの戻りが渋いとき、原因としては以下の事が考えられます。

・インナーアウターとの摩擦抵抗が増している:サビ、ホツレ、変形など

・レバー本体の問題:サビ、変形、汚れ

・ブレーキ本体の問題:サビ、変形、汚れ、可動部の締め付け など。

 

全てを確認していくのですが、まずはブレーキインナーケーブルの交換、クリーニングと注油が必要ですね♪

作業を進めていきます。

 

3.必要パーツの交換

image

見てみるとブレーキレバーをもとの位置に戻す役割を担っているバネもサビが来ている事が分かります。

反発力は弱くなっているでしょうが、まだ使えそうなので今回は洗浄と注油だけしてこのままでいきます。

 

アウターケーブルを確認してみるとバリがあったのでそれがワイヤーホツレの原因の一つと考えられました。

そこでアウター・インナー両方の交換を実施します。

こういったハンドルのアウター交換の場合バーテープを外す必要があるのですが、もともとバーテープ交換のご依頼を頂いていたので問題ありません♪

image

 

 

image

レバー・ケーブルの問題はクリアにしましたが、まだ戻りが若干悪い。

最後にブレーキ本体の確認をしてみます。可動部にへばりついている汚れが悪さをしていそう。。

分解⇒洗浄⇒組み付け⇒注油 をしてみると見事に動くようになりました♪

 

そしてバーテープを巻いていきます。

image

フレームカラーとオーナーさんの雰囲気に合った、ブラウンのバーテープ。

良いですね♪

 

最後に再度全体チェック、試乗をして納車♪

メンテナンス前と大きく違う乗り味、そしてブレーキフィーリング。

喜んでいただけました。

 

やはりキレイでメンテナンスされている自転車は気持ちが良いですね♪

 

 

『自転車のある日常に安全と安心を』

Cycle Days