キャノンデールCAAD12のオーバーホール作業

こんばんは、店主佐々木です。今週はオーバーホール作業が盛りだくさん。以前はちゃんとこうやって記事に残していたのですが、最近は時間の都合でお客様に画像をお送りするか、店頭で画像説明するのみでした。ただやはり、お客様としてもwebに乗っていると嬉しいそうで、

今回は意を決して^^;ブログ書きます。グローブしてたりグリスまみれだったり、手が塞がってたりする作業は撮影できませんが、お客様の愛車がどのように整備されているかご覧頂けるように♪

今回はお持ち込みのCAAD12のオーバーホール。こちらのお客様は当店で新しいバイクもバラ完でオーダー頂いたお客様。いつもご利用有難う御座います🙇‍♂️

こちらのCAAD12、購入後しっかりと定期的にメンテナンス、そしてオーバーホールも実施されていたとのこと♪

これまでの整備履歴を読み取りながら。そしてその作業されたメカニックさんと時間差で対話するような感覚で^_^しっかりと整備を実施させて頂きます。

オーバーホール作業の場合はまずはスタッフが予洗いを実施。その時点で確認できるパーツの消耗度合いなどは確認しておきます。

さて、早速作業開始。一つ一つパーツを取り外していきます。その時に、どのように組まれているかもしっかりと確認しながら。トルクはどうだったか、組み付けのグリス他塗布物、ケーブルのエンド処理などを確認するのです。

写真は順番が実際の作業工程とは異なるものもあります

BB30は正しい組み付けと正しいメンテナンスがとても重要

キャノンデールといえばBB30 規格。『異音』でお馴染みのように言われますが、正しく組み付け&正しくメンテナンスしていれば異音は発生しないです。今回メーカー指定のグリスではないものが使われていたのでスピンドルとベアリングの間のグリスが抜けてしまっている状態に。指定のグリスが無い状態で使ってしまうとクランクスピンドルがベアリング型に焼き付き、傷付きが発生してしまったり、スピンドルが削れてガタが発生する事があります。

回転は悪くなかったのですが、グリス無しでスピンドルと嵌合していたのが気になるので、ベアリングも交換。当店はキャノンデール正規取扱店ですので、純正のBB30ベアリングをチョイス。

上が純正、下が社外品
左が純正、右が社外品。

(BB30、もちろん、メリットデメリットありますが、店主佐々木が競技機材をチョイスするとすればやはりBB30のバイクに乗りたい。その理由は長くなるので店頭で^^;)

サークリップは問題なさそう。もちろん取り外してフレームもサークリップもクリーニングします。BB下ケーブル受けはアルミプレートのないタイプだな🤔
クランクボルト取り付け部にシマノグリスが塗られている。前回の整備店はキャノンデール正規取扱店ではないのかな?ただ色々創意工夫をしたのは読み取れる
ちなみに、キャリパーブレーキローラー部にもシマノグリスが!なるほど、意図はわかる…でもしっかりとクリーニングして注油しておきました。
ここがじゃりじゃりすると一気にブレーキが重くなるんですよね!もちろん油が切れて錆びても重くなる。ただここがグリスだと、汚れを拾いやすく、実際ローラーに擦れあうアーム内側は傷が…。ちなみにフロントブレーキはナットのサイズ選択ミスで、ネジの噛みが甘かったので交換しておきました…
グローブをしていたり、その他作業の都合上全ての写真がおさめられないことも…クランクはスピンドル、クランクアーム、チェーンリングともちろん全てバラして洗浄、規定トルクで再組み立て。
基本的に貧乏性なので使えるパーツは使えるよう、洗浄と注油、グリスアップを進めますが…
プーリー歯の消耗だけでなく、側面の傷により最終的に交換する事にしました…
シフトインナーは交換必要、アウターはそのまま使用できそう。ただエンド部はカットして整えます。
せっかくニッセンのアウターインナーセットが使われてるのにブレーキが違和感あるなと思ったら、さっきのブレーキキャリパーローラー部と、アウターのエンド処理に理由が…うーん。いろいろ考えて組まれているのですが…正直「惜しい」ところが色々…
完全に真っ平らに綺麗である必要はそこまで感じませんが、エンドのコイルと樹脂スリーブとの位置関係が重要で、それがずれてると、アウター角度によってはしっかりと抵抗になります…
あと、このノズルが大事。つかれば良いってものではありませんが、このバイクはこれの有無によってブレーキフィールが別物になります。
ちなみにこういうグロメット部やアウターキャップは汗などで意外と腐食し取れなくなる事もあるので、Viprosの耐塩水グリスを薄く塗って取り付けしてます。
シフトアウターキャップもノズル付きに変更。またこのモデルはケーブルライナー必須です。古いスピンドルについた2本の傷はおそらくライナー無しかつ、通し方を間違ったかBB下ガイドが割れたかで、ケーブルがスピンドルに接触して乗られていた期間があったのではないかと…
ヘッド、フォーク周りはとても綺麗!考え方が異なる部分はありますが、それでもちゃんと一生懸命考えて組み立てられているのがわかります
とても綺麗でしたが、少しグリスチョイスが軽めのものだったような。これは考え方様々ですが
ヘッドベアリングの状態も非常に良好!もちろんバラして洗浄、グリスアップを実施します。完全密封型なのでベアリング内部はデュラグリスを使用。
雨でも乗られる方なので、ヘッドワン、ベアリング表面のグリスは共にブレーキプロテクターをチョイス。
トップは上から耐塩水グリスを塗布。ここはブレーキプロテクターだとハンドリングがヌメっとする事もあるので、ブレーキプロテクターを控えめにして、ヘッドトップキャップとベアリングの間に耐塩水グリスを馴染ませるイメージです
当然溢れるので、余分なグリスは拭き取ります
プレッシャーアンカーの位置も修正
これはアンカーによって異なり、またメーカーの指示も微妙に異なったりしますが
ケアすべきは、ステム締結とアンカーの関係性。そしてもちろんステムトップキャップとの関係性や球当たり調整など。総合的に判断します。ちなみに本来であればコラム長がもう3mm長く、上に5ミリのスペーサーを乗せたいところ…あるいはポジションを5ミリ下げたいところ。
フレームとBBベアリング、またベアリングとスピンドルにもしっかり指定グリスを塗布。

ホイールのメンテナンスは手が汚れている事がお送り画像少なめです…

まずはフリーボディを見て…なるほど。ベアリング外側にもしっかりグリスアップされている。これは通常やられていることは少ないのですが、このフリーボディ外側ベアリングが錆びる事が多いので、そのケアのためかな🤔このお陰かわかりませんが、フリー外側ベアリングは非常に良好!勉強になる…
ただハブベアリングのシール外側にも大量のグリスが…これの意図は…??
シール外側にこんなにグリスが。その意図は…??
…しまった…拡大撮影できていなかったのですが…シールに複数の破れが!それを表面のグリスアップでケアしていたようです。デメリットもありますがしっかり効果はあったようです。
内側のシールに不思議なテープが…
こちらは敗れていたのでそれを補修したようでした
フリーボディももちろんメンテナンス
フリーボディのスプラインにも、ブレーキプロテクターを塗布するのが好みです。もちろんこれもデメリットもあります。
あと、エンド金具が大きく曲がっていたので交換しました!
うーん…複数対応しながらの作業で…すみませんバタバタしていて作業場が汚すぎて恥ずかしいです…

あるあるなのですが…バラシ、洗浄、組み付け準備段階の画像わよく撮影するのですが、組み付けはリズムで一気にやってしまうので非常に画像が少ないのです💦

というわけで完了!!きっと違いを感じて頂けるはず。
タイヤはオススメのMAXXISハイロードSLに。

長くなりましたがお付き合い頂き有難う御座いました。

毎回記事を書く自信がありませんが、なるべくがんばります^^;